2019.11.07 |
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『中国がブロックチェーンを国家戦略として推進!そこで改めて分散について考えてみる』 | ||||
77.7万→920万。 この数字は中国のWeChatで「区块链」(Blockchain)と検索された回数の変化を表しています。矢印の左側は10月23日、右側は10月25日のもの。わずか3日間で約12倍も増加しています。そして中国では、10月25日からの1週間で政府系・非政府系問わず、多くのメディアがブロックチェーンに関するニュースや記事を公開しました。 中国でブロックチェーンに注目が集まるきっかけとなったのは、中国共産党の中央政治局が10月24日に開いたブロックチェーンの研究会です。この会合で中国の習近平国家主席が、「イノベーションの中核技術としてブロックチェーンが重要な役割を果たす。ブロックチェーンを積極的に経済・社会に導入し、発展させていく」といった趣旨の発言しました。この発言を受けて、ブロックチェーンへの注目が急激に高まったのです。 その後、10月26日には暗号の定義や事業者に課されるルールなどを定めた「暗号法」が議会で成立しており、2020年1月1日から施行されます。さらに28日には、中国の政府系シンクタンク幹部がデジタル通貨(DCEP)を発行する可能性に言及しました。既に5年以上、中国はデジタル通貨の研究を続けており、いよいよ発行が近いのかもしれません。 以上の動きは中国政府がブロックチェーンの本格的な普及に向け、グッとアクセルを踏んできた証拠と捉えることができます。 ただ、ここで少し考えてみましょう。 中国ではブロックチェーン技術を開発する組織に対して、プロジェクトの登録を義務付けています。そして、上記のブロックチェーン推進は政府主導の下で行われています。このようなブロックチェーンを、ビットコインやイーサリアムと同じ「ブロックチェーン」として括って良いのでしょうか? 結論としては現在のところ、ビットコインなどのパブリックなブロックチェーンと、特定少数の企業や政府だけが特権的な管理主体として存在するブロックチェーンは分けて考えた方が良さそうです。 いくつか観点がありますが、今回は「政治的な分散性」に注目してみましょう。「政治的な分散性」は、どのくらいの数の個人または組織がシステムを構成するコンピューターを制御するのか?という観点で語られます。 まず、ビットコインやイーサリアムは、開発者やマイニング業者などの関係者が世界中に分散しており、誰かがシステムをコントロールしている訳ではありません。したがって、止めるのは非常に困難です。 一方、中国ではどうでしょうか?前述の通り、中国ではブロックチェーン関連の技術開発が登録制となっており、もし政府が特定のプロジェクトに対して中止を要請すれば、そのプロジェクトは止まるでしょう。デジタル通貨(DCEP)のイニシアチブも政府が握るはずです。 なお、分散性の話は良い/悪いの問題ではなく、個人や事業者が選択する際の判断軸に過ぎません。 ひと口にブロックチェーンと言っても、同じモノを指している訳ではないのです。この違いや多様さを明示せずに「ブロックチェーン」が語られることは少なくありません。政治的に分散しているのか?という意識で見ると、「ブロックチェーンを使う価値がどの部分にあるのか?」がはっきりしてくるでしょう。 参考資料: 習近平「ブロックチェーンとデジタル人民元」国家戦略の本気度(Newsweek) 中国からビットコインを持って逃げたプログラマー、両親はブラックリスト掲載の宣教師【匿名インタビュー】(Coindesk JAPAN) The Meaning of Decentralization(Medium) |
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直近のスクール開催予定について、お知らせします。 | ||||
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《 第7期 》隔週金曜日 18:30〜21:45 2020/1/10(金): Vol.1 ブロックチェーンの世界 Vol.2 ブロックチェーンの基礎技術 2020/1/24(金): Vol.3 ブロックの構造を知る Vol.4 暗号技術とウォレット 2020/2/7(金): Vol.5 P2Pの構造と技術 Vol.6 ブロックチェーン上の合意形成 2020/2/21(金): Vol.7 アルトコインとトークンエコノミー Vol.8 スマートコントラクトとブロックチェーンの未来 |
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《 第4期 》毎週木曜日 19:30〜21:00 2019/11/14(木):Vol.12 ブロックチェーンを作る(後編) |
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《 第3期 》毎週月曜日 20:30〜22:00 2019/11/11(月) :Vol.2 スマートコントラクトの仕組みを知る(Solidity、Gasコスト) 2019/11/18(月) :Vol.3 スマートコントラクト開発環境(Solidity、ノード構築、Ether送金) 2019/11/25(月) :Vol.4 トークンとセキュリティ(Solidity継承・import、トークン、ERC20、Truffle) 2019/12/2(月) :Vol.5 ブロックチェーントランザクションを探る(IPC/RPC接続、Node.js、トランザクション) 2019/12/9(月) :Vol.6 ブロックチェーン制御・双方向通信(WebSocket、イベント監視) 2019/12/16(月) :Vol.7 フロントエンド開発手法を学ぶ 2019/12/23(月) :Vol.8 ブロックチェーン投票システムを作成する 2020/1/20(月) :Vol.9 ブロックチェーン関連技術や秘密鍵の使われ方 2020/1/27(月) :Vol.10 DApps開発の基礎や便利な開発ツール 2020/2/3(月) :Vol.11 DAppsの応用事例や便利なツール 2020/2/10(月) :Vol.12 Ethereum特有の技術や課題、これからの展望 ※12/30、1/6、1/13 は休校となります。 |
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《 第4期 》毎週火曜日 20:30〜22:00 2019/11/12(火):決済・送金手段としての応用 2019/11/19(火):金融・証券分野への応用 2019/11/26(火):情報管理分野への応用(シェアリングエコノミー、不動産登記) 2019/12/3(火) :流通分野への応用(サプライチェーン、コンテンツ流通) 2019/12/10(火):クラウドプラットフォームとブロックチェーンの実装 2019/12/17(火):ICO・STOを取り巻く環境と実際の進め方 2019/12/24(火):ブロックチェーンビジネス事業計画の作り方 |
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直近のブロックチェーン関連NEWSをお届けします。 | ||||
■ 三菱UFJ、セキュリティトークンの取引システム構築へ | 20社超参加のSTO団体も立ち上げ https://jp.cointelegraph.com/news/report-mufg-to-enter-sercurity-token-offerring-they-will-build-the-sto-platform-in-2020 ■ ブロックチェーンで健康管理 テックビューロHD、医療系プロジェクト「楽医」を始動 https://coinpost.jp/?p=116432 ■ 3大陸、5カ月間におよぶ追跡に成功──IBMの鉱物資源追跡ブロックチェーン、来春に正式運用へ https://www.coindeskjapan.com/26493/ ■ 中国・深センの税務当局、ブロックチェーンベースの電子請求書を1000万件発行 https://jp.cointelegraph.com/news/chinas-tech-capital-shenzhen-issues-10-millionth-blockchain-invoice ■ トークン分類に関する標準化仕様発表、マイクロソフトやインテル、JPモルガン、R3など参加 https://jp.cointelegraph.com/news/initiative-including-microsoft-intel-and-ibm-introduces-token-standards |