2019.06.06 |
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『開発援助資金の30%が汚職で消える中、ビットコインは強力な解決策となるか?』 | |||
「2011年には開発援助全体の30%が最終目的地まで到達できませんでした。原因は汚職です」 これは2012年に当時の国連総長が、とある会議で述べたスピーチの一節です。発展途上国への開発援助を目的として拠出された資金は、学校や病院などの国民生活を支えるインフラ整備に使われるはずでした。 このような状況にあるため、国連総長はスピーチで現在の開発援助モデルが抱える大きな課題を指摘したのです。そして、この課題に対してビットコインやブロックチェーンは強力な解決策となる可能性を秘めています。 国際送金の仕組み上、個人や政府が行う開発途上国への援助は、目的地へと到達するまでに多くの仲介者を必要とします。例えば、私たちが海外へ送金するとき、もっともシンプルな手段であっても複数の銀行を介さなければなりません。 実際の開発援助では、より複雑なプロセスと多くの仲介者を経由する必要があり、時間・手数料ともに大きなコストが負担となってしまいます。資金が現地に到着するまでには早くても数日、遅い場合は数ヶ月を要することもあるのです。 さらに、現在の開発援助のモデルは以下の課題を抱えています。 ・仲介者による不正(汚職など) ・送金の遅さ ・資金の使途の透明性が低い これらの課題を改善するための取り組みとしては、例えば、開発援助に充てられる資金の透明性を確保するための国際的なイニシアチブ(IATI:International Aid Transparency Initiative)が、企業や国際NGOの説明責任などを明確する基準を定めています。しかし、IATIの基準に従って報告された事例は少ないのが現状です。 さて、ビットコインが誕生して10年が経ち、物流や医療、証券やエンターテイメントなど幅広い分野でブロックチェーンの応用が目立つようになってきました。その具体的な事例はFLOC LOG(マガジン)やニュースレターでも解説していますが、冒頭でも触れたように開発援助の課題に対しては、ブロックチェーンの最初のユースケースであるビットコインが強力な解決策になる可能性があると言われています。 ビットコインは暗号学的に安全性が担保された状態で二者間の直接送金が可能であり、送金履歴がすべて可視化されているデジタル通貨です。だからこそ、現在の開発援助モデルが抱える「仲介者による不正」「送金の遅さ」「透明性の低さ」といった課題を解決する可能性を秘めています。 例えば、支援者と被支援者のビットコインアドレスを公開しておけば、本当にビットコインが着金したかどうかが簡単に確認できるでしょう。ビットコインは大きな金額を遠く離れた場所へ安全かつ素早く送るのに適しているのです。 もちろん、国によってはビットコインを現地通貨と交換する取引所サービスが提供されていないケースもありますが、世界各地で交換サービスが整備されつつあるため解決は時間の問題でしょう。今年2月に公開された調査では、発展途上国を中心にビットコインと現地通貨のトレード量が増えている事が指摘されています。 ビットコインという存在はブロックチェーンに関心のある人たちにとっては当たり前の存在になりつつあるため、ついつい目新しいユースケースに注目しがちですが、ビットコインという発明品だけでも社会課題を解決するための十分に強力なツールとなり得るのです。 参考文献: Bitcoin could change the game for foreign aid(CNN) https://edition.cnn.com/2019/05/23/perspectives/bitcoin-foreign-aid/index.html Nuanced Analysis of LocalBitcoins Data Suggests Bitcoin is Working as Satoshi Intended(Medium) https://medium.com/@mattahlborg/nuanced-analysis-of-localbitcoins-data-suggests-bitcoin-is-working-as-satoshi-intended-d8b04d3ac7b2 |
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直近のブロックチェーン関連NEWSをお届けします。 | |||
■ アイルランドのダブリンシティ大学、ブロックチェーン技術の修士課程を新設 https://jp.cointelegraph.com/news/irish-university-to-offer-blockchain-masters-degree-following-new-partnership ■ ウォルマート、ヘルス業界向けブロックチェーン共同事業体「メディレッジャー」に参加 https://jp.cointelegraph.com/news/walmart-follows-pfizer-in-joining-blockchain-pharmaceutical-project-mediledger-report ■ 米マイクロソフト、Azure Blockchain用のスマートコントラクト検証ツールVeriSolを発表 https://crypto.watch.impress.co.jp/docs/news/1188486.html ■ 仮想通貨トロンの創業者、ウォーレン・バフェット氏と昼食を取る権利を落札 https://www.coindeskjapan.com/11373/ ■ 住民1人ひとりに応じた情報を提供するポータルサイト「加賀POTAL(ポータル)」開設=ブロックチェーン技術を活用=石川県加賀市 https://www.jiji.com/jc/article?k=20190604Pr1&g=jmp |
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直近のスクール開催予定について、お知らせします。 | |||
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《 第5期 》2019/6/24(月) 18:30〜21:45 Vol.1 ブロックチェーンの世界 - Block1 ブロックチェーンとは何か - Block2 ブロックチェーンの3つの「型」 - Block3 パブリックチェーンのメリット・デメリット - Block4 プライベートチェーンの メリット・デメリット - Block5 Society 5.0とブロックチェーンビジネス Vol.2 ブロックチェーンの基礎技術 - Block1 ビットコインとブロックチェーン - Block2 仮想通貨とは - Block3 Bitcoinの中核技術 - Block4 仮想通貨を取り巻くプレーヤー |
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《 第4期 》2019/8/1(木)開講 | |||
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《 第3期 》2019/6/13(木) 20:30〜22:00 Vol.6 金融・証券分野への応用 - Block1 企業間取引におけるブロックチェーン活用基礎 - Block2 シンジケートローンでのブロックチェーン活用 - Block3 トレードファイナンスでのブロックチェーン活用 - Block4 海上保険でのブロックチェーン活用 - Block5 証券取引・中央銀行発行通貨でのブロックチェーン活用 |
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