自分の健康は自分で管理する!ブロックチェーンがヘルスケアの未来を開く!
医療分野や製薬分野が発展すると共に注目されているのがヘルスケア業界です。日頃の健康作りから自分の健康状態を管理することで病気になる前に対策をするヘルスケアは今後ますます重要になるでしょう。今回は成長著しいヘルスケア分野におけるブロックチェーンの活用事例を紹介します。


今回はヘルスケア業界におけるブロックチェーンの活用事例を紹介するぞ

そもそもヘルスケアってどういうものなの? 医療とは違うんだよね?

ヘルスケアは病気になる以前の段階を指すんじゃ。適度な運動や食事管理による健康作りや、検査による数値、更には遺伝子情報を用いて将来的にかかりやすい病気への対策まで広い範囲を指している

なるほど、ブロックチェーンが応用できる部分も多そうだね!

人の生命に関わることだけに、早期の発展が期待されるのう
発展するヘルスケアとブロックチェーン
医療や製薬の分野が著しく成長する中で、平均寿命に加えて「健康寿命」というものが注目されるようになりました。それに伴って注目されているのがヘルスケア分野です。
健康寿命とは医療や介護などに依存しない生存期間を指します。高度化が進み、ますます価格の上昇する医療費や介護費用などを抑えるために、ヘルスケアが活用されます。
ヘルスケアは広い範囲を包括します。適度な運動や食事管理などによる毎日の健康づくり、サプリメントなどを用いた健康の増進、データを用いての健康状態のリスク管理など様々です。
特に近年では膨大なデータをもとに診断を下すAIや個人の遺伝子情報を収集する遺伝子検査などの先進技術の活用も進んでいます。ビッグデータを用いることでヘルスケア業界はますます発展しています。
そして次世代技術として注目されているのがブロックチェーンです。ヘルスケアで活用するデータは多様な項目に上り、膨大です。加えて遺伝子情報など、繊細なデータも多くセキュリティ上のリスクも高いため、従来のシステムではコストがかかりすぎてしまいます。
ブロックチェーンを活用することでデータを安全に、かつ分散して管理することができるようになります。更にデータを医療機関などのサーバーでなく自分自身で管理できるため、第三者へのデータの売却のリスクが減る、医療機関間で統一された規格を利用できるなどのメリットもあります。
ヘルスケアでのブロックチェーンの活用事例を紹介
アメリカのコンサルティング企業であるGlobal Markets Insightによると、ヘルスケア業界でのブロックチェーン市場は2025年までにおよそ16億ドル(約1760億円)規模にまで成長すると言われています。
ヘルスケア業界は現在も成長が著しく、各国政府の資金面などでのバックアップなども期待できます。医療などの分野と合わせて、高い成長率が見込めるでしょう。実際に研究、実用化が進んでいる事例を見ていきましょう。
医療データを主体的に活用するアプリを提供するArteryex
ArteryexはブロックチェーンやAIと言った先進技術とヘルスケアを組み合わせたサービスを提供する日本のベンチャー企業です。その中心的なサービスがPHR(Personal Health Record)アプリの「健康銀行」です。
健康銀行はブロックチェーンを活用することで病院でもらえる電子カルテや検査などのデータ、日々の食事や睡眠、運動の記録などを一元管理できます。患者側が主体的に管理することで扱いのセンシティブなデータであっても安全な運用が可能です。
医療機関などが健康銀行を経由してデータを利用するときも、データをブロックチェーンに紐づけることで追跡が容易になり、「見える化」が進みます。
また健康銀行の利用者は健康に関するデータをアプリにアップロードすることで独自のポイントを得ます。このポイントはヘルスケアに関連した商品やサービスと交換することができ、アプリの利用自体で健康増進を図ることができるという仕組みになっています。
ヘルスケアに努めることで利益をあげられる仮想通貨Clinicoin
ヘルスケアは何かとお金がかかるものです。少し俗物的な考えかもしれませんが、もしヘルスケアに努めるだけでお金がもらえるのであれば、よりヘルスケアが普及するのではないでしょうか。
そんな一見してありえないようなことを実現させたのが仮想通貨Clinicoinです。
Clinicoinは独自のコンセンサスアルゴリズムとして、プルーフ・オブ・エンゲージメントというものを採用しています。これはClinicoinの機能を用いてPHRアプリに接続し、優良な健康状態を記録することでトークンを得られるという仕組みです。
トークンはヘルスケアなどの分野のマーケットで使用することが可能です。
保険手続きにブロックチェーンを活用するUnited Healthcare
アメリカの大手医療保険会社であるUnited Healthcareは、2018年4月に自身を含む5つの機関と合同で保険業務を効率化するためのブロックチェーンのパイロットテストを開始しました。
保険会社は保険の手続きを進めるために、常に保険加入者の最新の健康情報を取得していなくてはなりません。現状では健康情報は病院やその他の医療機関、ケア施設、更にその中でもそれぞれのシステムに個別に管理されているため、保険会社も個別でその取得に努める必要があります。
しかし電話や電子メール、ファックスなどで情報を集めるこのやり方は時間もコストも非常にかかります。United Healthcareによるとひとつの情報を得るために6日もかかることがあるほか、年間で約21億ドル(約2200億円)もの費用がかかるそうです。
そこでUnited Healthcareは関連機関で1つのブロックチェーンを利用して健康情報を共有する計画を立てました。保険会社はブロックチェーンにあげられたデータを利用することで保険手続きにかかる時間や費用を大幅に削減できるうえ、情報の精度を向上させることもできます。
近年では「ヘルスケア型保険」と呼ばれる、従来の医療保険にヘルスケアサービスを組み込んだ新しい形の保険も登場しました。管理する情報の量も増えているため、今後はブロックチェーンの活用が期待されるところです。

ヘルスケアではブロックチェーンの導入が進んでいるんだね

ただ生きるだけなら機械をつなげばできる時代になった今、次に注目されるのが健康に生きること、つまりヘルスケアじゃ。各国の政府も注目しておるし、これからどんどん発展するじゃろな

もちろん僕たちにヘルスケアの意識がなくちゃダメだよね。

ははは、その通りじゃ。ワシも毎朝ジョギングでもしてみようかのう。では、まとめと行こう
まとめ
医療技術や製薬技術が高度化し、より医療費などが高騰を続ける現代においては、健康寿命という概念が新たに注目されるようになっています。そして健康寿命を延伸するために欠かせないのがヘルスケアです。
ヘルスケアはその人の遺伝子情報など、絶対に流出させてはいけない繊細な情報も数多く扱います。そういった情報を扱うコストやセキュリティの観点から、ヘルスケアへのブロックチェーンの応用が期待されています。
今後は数千億円規模の市場に成長するという予測がされているなど、ヘルスケア業界におけるブロックチェーンの活用は大いに注目すべき分野のひとつとなるでしょう。