事件後有名になった「ネム(NEM/XEM)」とはどんな仮想通貨なのか?
今回はNEM(ネム)について取り上げます。この仮想通貨を買ったことがない皆さんもニュースなどで一度は耳にしたことがあるのではないしょうか?ハッキング事件からセキュリティー的に弱い通貨なんじゃないか?また仮想通貨そのものが危ないなんて思っている方も多いのではないでしょうか?仮想通貨の歴史の中でも1,2を争う大きな事件に巻き込まれたNEM(ネム)についてご紹介します。

ネム(NEM/XEM)とは?
ネム(NEM/XEM)とはNew Economic Movementを略した名前が付けられたプロジェクトで、Ethereumのような分散型アプリ用プラットフォームで、そのネットワーク上の通貨がXEMです。2019年5月8日現在1枚当たり約5円で、時価総額は22位となっています。発行枚数は899,999,999枚で、新規に発行されることはないです。日本だとCoinCheck、Zaif(現FISCO)などで購入することができます
ネム(NEM/XEM)の特徴
APIが充実していて開発しやすいと言われており、Proof of Importanceという新しいコンセンサスメカニズムを採用しています。また日本ではコミュニティが強く活発なのが特徴です。
誕生経緯
2014年1月21日にbitcointalk というブロックチェーン、仮想通貨専用の掲示板でutopianfutureという人物が新しいプロジェクトとして立ち上げたのがNEMの誕生です。
2014年にエアードロップとして、1500人限定で60万XEM(約300万円)を配るなどのマーケティングを行い、2015年3月からメインネットが稼働しています。
Proof of Importance
NEMはProof of Workでも、Proof of Stakeでもない新しいコンセンサスアルゴリズムであるProof of Importanceを始めて導入したブロックチェーンです。
Proof of ImportanceのためにNEMのアカウントステータスにはそのアカウントのImportance(重要度)が割り当てられており、その値は実行したトランザクションの数などによって変動するようになっています。これによって、ただ持っているだけの人ではなく、持っていて、かつネットワークを利用している人に手数料が渡るようにしています。
コンセンサスアルゴリズムの種類と比較
Proof of Work(PoW) | Proof of Stake(PoS) | Proof of Importance(PoI) | |
呼び方 | マイニング | ステーキング | ハーベスト |
参加条件 | 誰でも | 保有者なら誰でも | 10,000XEM以上保有 |
マイニング要因 | 計算リソース | 保有枚数 | 保有枚数+活動量 |
コインチェック事件
2018年1月26日に日本の大手取引所CoinCheckから約580億円分のNEMがハッキングされていたことが判明しました。ハッキング当時はNEMの脆弱性が利用されたのかと言う話もありましたが、CoinCheckがホットウォレット(インターネットで接続できる状態)で、マルチシグを実装していなかったという管理体制が大きな原因だったことが後ほど判明しました。
カタパルト
NEMの時期大型アップデートは「カタパルト」と呼ばれており、2019年中に実施予定です。特徴としては、処理速度の向上、マルチレベルマルチシグ、アグリゲートトランザクションの3つです。
但し、カタパルトは元々2017年にベータ版をリリースする予定だったのが、2018年5月までコードがリリースされず、現状でもv0.3となっており、開発進捗の遅さが指摘されています。
まとめ
NEMはICOとか行わずにコミュニティの力でここまで成長してきたプロジェクトであり特に日本のコミュニティが強いです。またProof of Importance(PoI)という新しいコンセンサスアルゴリズムによって、ネットワークの利用に貢献する人により報酬が渡るようにしている特徴があります。