安心に荷物を受け取り再配達がなくなる?ブロックチェーンで変わる宅配業界
宅配業界では「再配達」が課題の一つです。 再配達は社会的課題となっており、宅配ロッカーの設置やコンビニ受取など様々な対策が行われております。 ブロックチェーンを活用して安心・安全にモノの引き渡しが可能になる仕組みを構築できないか?という観点でのサービス事例をご紹介します。


荷物の宅配をしたことがあるじゃろ?タカシはいつもどうやって受け取っておるんじゃ?

僕はいつも自宅まで届けて貰ったり、コンビニ受取にしているよ!意外とコンビニ受取だと便利でいいんだよ!好きな時に荷物を受け取りに行けるし、宅配業者さんにも迷惑掛からないしね!

そうじゃな。コンビニ受取は便利じゃな。今回はこの宅配×ブロックチェーンということで日本の企業が実証実験を行っているプロジェクトを紹介するぞい!楽しみにしておれ!

とうとうブロックチェーンが宅配業界にまで進出しているんですね!実証実験が上手く行って実用化まで行けると僕たちにも宅配の人にもメリットがありそう
宅配業における課題
物流業界の中でも宅配事業に関しては以下のような課題が挙げられています。
再配達が多い
まず再配達が多い点が挙げられます。
対策としては配達希望日を指定したり、宅配受取ロッカーやコンビニ受取など多くの代替サービスがあるのですが、未だ利用者が増えず、再配達があまり減っていないのが現状です。
2017年では42.5億個の配達物に対して、約15%の7億個が再配達となっております。この社会的損失は大きくなっており、また、年々配達物が多くなっている宅配業界では再配達の削減は喫緊の課題となっております。
受け取れるところが限られる
次に、再配達を削減する方法の一つとしての受取場所の変更がありますが、現状受取可能な場所は限られており、コンビニやロッカーなどしか代替受取を行うことができません。
今後、あらゆる場所で配達物を受け取れるようになれば再配達が削減されると考えられます。
自宅が配送業者にバレる
また、自宅配送の場合、宅配業者に自宅がバレてしまうことがあります。
特に女性の一人暮らしなどでは嫌がる方もいらっしゃるかもしれません。
そういった方にとってはロッカーやコンビニ受取というのは非常に便利ではあるのですが、前述のとおり、利用者があまり増えておらず再配達は減らすことができておりません。
ブロックチェーンで宅配ボックスに鍵を!
株式会社セゾン情報システムズは、株式会社パルコが運営するWEB上で店頭の商品が取り置き・購入できるサービス「カエルパルコ」を利用する一般消費者向けに、ブロックチェーン技術を活用した宅配ボックスのテスト運用を昨年4月から行っております。
具体的には以下のような取り組みを行っております。
テスト運用の内容について
このテストでは、「カエルパルコ」の利用者に対して商品が宅配ボックスに配送されると、注文者に鍵情報の記録されたQRコードが送付され、利用者は送付されたQRコードを利用し認証し、安全・安心に24時間365日好きなところで受け取ることができるようになります。
今後の方向性について
ここからは私見になりますが、テスト段階では恐らく普通の宅配事業と何ら変わらないのかもしれません。
注文して、好きな時にQRコードで配達物を取りに行くことができる仕組みなので恐らく変わらないでしょう。
しかし、これが一般化すると例えば予めロッカーの中に商品が入っている状態を店側は構築しておき、注文者がECサイトを見て商品を選びます。
次に、選んだ商品をどこで受け取るかを指定し、QRコードが発行されます。
指定の場所の指定のロッカーでQRコードで認証を行うと、商品を取り出すことができるようになるのではないでしょうか。
また、スマートコントラクトも実装し、支払をトリガーにすることで、リアルタイムに購入し、即日受け取ることが可能になり再配達が減る可能性が考えられます。
宅配ボックスが一つの無人販売機のようなイメージで活用することができるのではないでしょうか。
商品を全てトレースできる
また、ブロックチェーンを活用することで全てをトレースすることができるため、宅配ボックスに入っているか入っていないかや、本人確認、開錠されたかされていないかなど全てを履歴として残すことができます。
このように受注記録から配送先の個人まですべてを管理することができるため配達業者の誤配達を防止することができます。
まとめ
ブロックチェーンと宅配業という観点からの取組みをご紹介しましたが、まだまだ実用化までは至っておりません。
しかし、ブロックチェーンはあらゆるサプライチェーンの共通基盤としてそれぞれのプレイヤーがそのプラットフォームを信用して活用することで各社のサービスレベルの向上やコスト削減など多くのベネフィットを受けられる仕組みに成り得るのではないでしょうか。
今後もブロックチェーンをどのような形で応用していくか期待を持つことができます。
出典:https://en-hyouban.com/smartmap/5/report/257/
https://home.saison.co.jp/company/news/pdf/2018/pr180419_01_7ms4ep7p.pdf

宅配ボックスとブロックチェーンで再配達が大幅に減らせられるかは今後のプロジェクト次第じゃが、良い取り組みじゃと思わんか?

確かに、社会課題に真っ向から挑んでいる感じが好感を持てるね!こういうプロジェクトは実用化まで持って行けると良いね!

その通りじゃな。ブロックチェーンである必然性のないプロジェクトが散見されるのじゃが、この取り組みはブロックチェーンでしかなしえない取組みじゃな。