透明性が低い?プライベートチェーンのメリット・デメリットを解説
以前紹介したパブリックチェーンと対となるプライベートチェーンの特徴やメリット・デメリットについても解説します。 プライベートチェーンは規定された管理者が存在しており、管理者によってルールが決められたブロックチェーンです。


プライベートチェーンはパブリックチェーンとは対となる存在なんだね。

そうじゃの。似たような存在としてコンソーシアムチェーンがあるのじゃ!

けど、管理者が存在するのってブロックチェーンとは言い難いんじゃない?

そうでもないぞ、それぞれメリットがあり、管理をきちんとすれば機能するのじゃ。

じゃあ管理の仕方が重要になりそうだね。
プライベートチェーンのメリット
パブリックチェーンにメリットがあったようにプライベートチェーンにもメリットが存在します。まずはプライベートチェーンに関するメリットから紹介します。
ブロック承認のスピードが早い
プライベートチェーンは取引の承認を誰でも行えるというわけではなく、特定の誰かが代表して行なっています。管理者がこの取引承認するにしても特定の誰かを理解しているので、その人自体を認知しています。
プライベートチェーンに似ているコンソーシアムチェーンに関しても、同様のことが言えて参加するノードの数と参加者であるノードが信頼できることは確定しています。
したがって、ノードのデータをチェックすれば取引の承認に時間がかかることはありません。
情報の共有内容と範囲を限定できる
プライベートチェーンはネットワークの参加者を制限できるため、情報を公開する範囲を限定できます。
参加者が閲覧できる情報の内容をノードの権限に応じて設計も可能なので、情報の秘匿性をコントロールできます。
プライベートチェーンは取引の承認ルールに関しても管理者の判断で変更可能なので、ブロックチェーン開発を柔軟に進めることが可能です。一方で、コンソーシアムチェーンは管理者が複数存在するので、それぞれの協議が必要です。
しかし、パブリックチェーンよりも柔軟にブロックチェーンを変更することが可能です。
インセンティブが不要
パブリックチェーンにはマイニング報酬という概念が存在します。マイニングを成功させたマイナーは報酬を獲得することができて、これ目当てでマイニングを行なっているマイナーも多いでしょう。
しかし、プライベートチェーンやコンソーシアムチェーンは管理者が許可しなければ、そもそもネットワーク自体に参加できません。
そのため、ネットワークの参加者は信頼できる人物ですし、悪意のあるノードを防ぐことができます。
これによって取引の承認ルールも複雑にする必要がなく、マイニング報酬のようなインセンティブを用意する必要もありません。また、ネットワークに参加する人は基本的に管理者に同意して入ってくるので、報酬欲しさに入ってくるわけではありません。
プライベートチェーンのデメリット
続いてはプライベートチェーンのデメリットについて紹介します。こちらは対となるパブリックチェーンのメリットとなっているようなものが挙げられます。
透明性・公共性が低い
まず、透明性や公共性が低いことが挙げられます。ネットワークを管理している管理者がいる以上、取引データなどの変更権限は管理者にあります。つまり、管理者が思うようにコントロールすることも可能だということです。
悪い管理者によって、データが改ざんされてしまう可能性もあるため、透明性や公共性は低いネットワークとなっています。そのため、管理者への信頼というものがパブリックチェーンよりも大切です。
ある意味でブロックチェーンの機能性を失っていて、本来の意義をなしていないという意見も存在します。
コンソーシアムチェーンは管理者が複数存在するので、一人の管理者の意見でデータの変更を行うことは不可能です。そのため、プライベートチェーンよりは透明性や公共性が高い存在です。
しかし、パブリックチェーンよりは低いので、こういったセキュリティのことを考慮するとパブリックチェーンが最も強いでしょう。
安全性・可用性の問題
プライベートチェーンやコンソーシアムチェーンに関しては、取引を承認するためには管理者の認識が必要となります。
したがって、パブリックチェーンと比較した際にはノードがシステムダウンを引き起こしてしまうリスクが高く、システムが継続して稼働できる能力が備わっているとは言い切れません。
また、ネットワークの安全性もプライベートチェーンを運用する企業や組織に依存してしまいます。そのため、誰が運用しているネットワークなのかという点にも注目しなければいけません。
これはコンソーシアムチェーンでも同様のことが言えます。どんな組織が集まって運用しているネットワークなのかという点にも注目が集まります。
可用性に関してはプライベートチェーンもコンソーシアムチェーンも100%とは言いがたい状況です。
コンソーシアムチェーンはプライベートチェーンよりも可用性が高いですが、政府の規制やサイバー攻撃を受けてしまうと、システムの運営が困難になる可能性もあります。
それぞれのブロックチェーンの形態によって、メリットやデメリットが存在します。そのため、ブロックチェーンのビジネスを行う際などはどのブロックチェーンを採用すればうまく動作するのかなどをチェックしておく必要があります。

限られた範囲内でブロックチェーンを活用したい人にはプライベートチェーンが合ってるね。

そういった意味では使い勝手は良いかもしれないが、可用性が100%ではないのじゃ

管理者や管理している組織によってはネットワークが終わってしまうかもね。

信用に関しては誰も担保してはくれないから、自分で判断してネットワークに参加するしかないの!

ネットワークのリテラシーが大事になってくることは間違いないね!