複雑な契約などを自動化する「スマートコントラクト」の世界
ブロックチェーン技術は仮想通貨の実用化に影響しており、現在ブロックチェーン技術を活用したアプリやプラットフォーム開発が進んでいます。 特にスマートコントラクトという技術は世界の技術者が注目しており、契約の時間がかかってしまう作業をよりスムーズに進めることができます。今回はそんなスマートコントラクトを詳しく解説します。


今日は「スマートコントラクト」について解説するぞ!

なんだかかっこいい響きだね!何をスマートにできるのかな?

そうじゃの。。今まで口約束をして、約束が守られなかった事はないかの?

よくあるよ〜。後で言った言わないとか口論になったり・・

そういった約束や契約をIT技術によって、自動的に明確にするものなんじゃ。

そ、そんなことが可能なの!?

そうなんじゃ。順を追って説明していくぞ!
スマートコントラクトとは
現在の社会では契約を行う際には中間事業者が介入してきて、取引の開始から取引の終わりの契約まで時間がかかってることが往々にして起こっています。また複雑な内容にもなるので、中間事業者がいないと契約内容自体が理解できないことも問題です。
そういった煩わしいことをよりスムーズに実現できることがスマートコントラクトです。スマートコントラクトによってより利便性の高い社会が実現する可能性があります。
私たちの身の回りにあるコントラクト
コントラクトとは「契約」のことを指します。契約と取引はほぼ同義であるという考え方で、現実世界の取引はたくさんあります。物の売買や物の譲渡も取引に入ります。
ネットショッピングも「こういった方法でこれだけの金額を払ってもらえた場合、商品を郵送します」という契約状態になっています。
もし、この契約が守られなかった場合は仲介事業者によって、契約が破棄されてしまい中間業者によって返金(返品)手続きを取ることになります。
例えば、「1000円でおもちゃを購入する」という契約は「1000円を払う」ことで「おもちゃを手に入れる」という条件のもとで成り立っています。
移動手段や買い物、会社に所属して労働するなど、こういった契約は世の中のいたるところに存在しています。
細かく条件が設定されている契約は良いのですが、世の中にはぼやっとした契約が成り立っていることもあります。
口約束だけで行なったお金の貸し借りなども契約ですが、明記されることが少ないです。しかし、法律上でこういった契約も成り立ちます。
ただこういった契約は何かに明記されてないためにトラブルになる可能性が高くなります。
特に金額が大きくなってくると一般的には契約内容をはっきりさせるために契約書を発行したり、弁護士を通したりすることで契約内容をはっきりさせる必要がでてきますが、コントラクトをより厳密にするために煩雑な工程を行う必要がでてきます。
スマートコントラクトは自動で契約を実行する仕組み
以前の契約取引活動での活用・応用事例のパートでも触れましたが、スマートコントラクトは契約者同士の契約を当事者なしで自動で実行する仕組みです。スマートコントラクトを活用することで人と人が対面していない状態でも契約を結ぶことができます。
スマートコントラクトの仕組みは実は実現しており、よく私たちが使う「自動販売機」が良い例です。自動販売機は硬貨を入れて商品のボタンを押せば商品が出てきますが、この間に一連の契約が行われます。
この時行われる契約は「人と機械の契約」になります。そのため、信用などは一切関係なく契約が成り立つことになります。
つまり、スマートコントラクトはトラストレスで人と人が対面していない状況でも契約を自動的に行える仕組みということになります。ブロックチェーン独自の技術というのも、スマートコントラクトが注目される要因といえるでしょう。
ITとスマートコントラクト
自動販売機をスマートコントラクトの例として取り上げましたが、これはITとは無縁です。IT技術とスマートコントラクトが関係してくることによって、契約者同士の合意内容が改ざんできない状態となります。
先ほどの自動販売機だと自動販売機を壊してしまえばお金や商品を盗みだすことも可能です。
しかし、スマートコントラクトはそういったことも防ぐことができるため、契約を守ることができます。
ここで気になってくるのは、日常的に行われている「オンライン決済」とは何が違うのかです。
オンライン決済は手続きや合意した事実を電子化して記録していますが、スマートコントラクトは契約を実際に行うところまでを自動化するものです。スマートコントラクトで有名なイーサリアムはあらゆるパターンのプログラムを実装できるので、プログラムをコントラクトとして仕込んでおくことで契約の全てが実行されることになります。
また、ブロックチェーンに書き込まれるということは改ざんが難しくなりその契約が正当なものであるという証明でもあります。
不当な取引がブロックチェーンに保存される可能性は少なくなっており、不当な取引がブロックチェーンに保存されたとしても透明性が高いため、契約内容を誰でも見ることができます。
透明性が高いことからインサイダー取引などの犯罪に利用されることもありません。
スマートコントラクトのメリット
スマートコントラクトが実装されることのメリットは「トラストレスな取引が可能になること」と「仲介手数料が削減できること」の二つが挙げられます。
取引の相手の信用度などを気にせず、契約を進めることができます。条件さえ合致すれば自動的に契約が成立することは時間短縮にも繋がります。
また、現在契約を交わそうとすると第三者が介入することが多いですが、スマートコントラクトを実行することで仲介業者は必要ではなくなります。そのためコストを削減することが可能です。スマートコントラクトをうまく活用することでコストを削減し事業拡大を図る企業もいるようです。
今度もスマートコントラクトを活用する企業は増えてくる可能性が高く、様々な取引のコストや手間は省くことができるでしょう。
また、個人間の契約でもスマートコントラクトが活用されて、口約束のような曖昧な契約が行われることは少なくなるのではないでしょうか。

どうじゃ?少しはスマートコントラクトの仕組みがわかってきたかの?

自動化して仲介業者もいらなくなるなら。世の中のあらゆる手数料が減って買い物がしやすくなりそうだね

そうじゃの。個人間での契約が円滑に進めれるようになるから、世の中のビジネスが大きく変わるじゃろな

僕ら消費者にとっても公平で可能性が広がる世の中になりそうだね!