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プルーフ・オブ・ワークの基本と仕組み

中央管理者がいないP2Pネットワークにおいては、ネットワーク上の取引が正しいかどうかの合意に達するルールが必要なのですが、たとえばビットコインのルールには、「プルーフ・オブ・ワーク」というルールが採用されています。そこで今回は、この「プルーフ・オブ・ワーク」についてわかりやすく解説します。

フロック博士

今日は「プルーフ・オブ・ワーク」を紹介するぞ。中央で管理する人がいない「P2Pネットワーク」においては、ネットワーク上の取引が正しいということを担保するためとても重要な仕組みなのだ。

タカシ

管理する人がいないのに、取引が正しいとか判断つくの??

フロック博士

そうなんだ。これまでのネットワークでは、中央で管理する人がいて「この取引は正しい、では実行しよう」といってやっていてんだけれど、P2Pネットワークではそういう人がいないから、ネットワーク独自のルールでやるんだ。

タカシ

どんなルール?

フロック博士

今からそれを解説するところなのだ。

タカシ

難しそうだけど、なんだかおもしろそう!

プルーフ・オブ・ワークとは

「プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)」とは、取引データをブロックチェーンに書き込んでいく際に、そのデータの正しさを仕事量によって証明する仕組みのことです。直訳すると「仕事の証明」となります。

 

プルーフ・オブ・ワークのプロセス

中央管理者がいないP2Pネットワークにおいては、ネットワーク上の取引が正しいかどうかの合意に達するルール「コンセンサスアルゴリズム」が必要なのですが、たとえばビットコインのコンセンサスアルゴリズムには、このプルーフ・オブ・ワークが採用されています。

ビットコインを例にプルーフ・オブ・ワークのプロセスを分解すると次のようになります。

  1. 取引データをまとめてブロックを生成する
  2. 計算問題を解くために大量のハッシュ計算を行う
  3. ナンス値という特別な数字を見つけた人が、ブロックを完成させて他のノードに報告する権利を得る
  4. 他のノードはブロックの中身とナンス値が正しいかどうかを検証する
  5. ナンス値が正しければ、ブロックを完成させた人に報酬が支払われる

このようなプロセスによって承認されたブロックAは、その後6つのブロックの承認が経過すると、取引が確定したとみなされます。さらに100個のブロックが承認されると、ブロックAのナンス値を見つけた人は、その報酬として12.5ビットコインを自分のところに送ることができます。

ナンス値とマイニング

特にナンス値を見つける作業を「マイニング(採掘)」といいます。自身のコンピュータを使って総当たり計算を行い、計算の答えであるナンス値を探す人を「マイナー(採掘者)」と呼びます。

現在、ナンス値発見にかかる時間(難易度)は、2週間に一度、10分程度に自動調整されています。
ナンス値を最も早く発見したマイナーが次のブロックを書き込む権限を有し、報酬として12.5ビットコインを得ることができるという経済的なインセンティブを、ビットコインは仕組みとして取り入れているわけです。

しかし、それはビットコインのコンセンサスアルゴリズムにおける仕事量(プルーフ・オブ・ワーク)は、コンピュータでどれだけの計算を行ったかということを意味し、そのコンピュータの持つ計算量に依存することになります。

当然のことですが、高性能のコンピュータを数多く投入をすれば、こなせる仕事(計算)量は多くなります。したがい、発見の報酬を得る確率も高まってきます。そして、もっとも量的に仕事(計算)されているチェーン、つまり最長のチェーンが唯一正しいチェーンだということになります。

プルーフ・オブ・ワークでは不正ができない

今のビットコインは、このプルーフ・オブ・ワークによって不正ができないというのが、重要なポイントとなります。なぜ不正ができないかというと、次の3点が考えられます。

 その1 全員でネットワークを監視している
 その2 正当なブロックしか残らない
 その3 マイニングのコストが高い

その1 全員でネットワークを監視している

P2Pネットワークでは、故障や停止のような不具合を起こすノードが現れたり、悪意のある攻撃を仕掛けるノードが現れたりする危険性への対策として、ブロックチェーンはネットワーク上のトランザクション(取引データ)やそれを含むブロックを所定の計算によって検証する仕組みをとっています。いわば台帳を参加者全員で監視しているのです。

他のマイナーやマイニングには参加しないノードなど、世界中のノードがお互いを見張っているので不正ができないという仕組みです。逆転の発想で、隠すのではなく、全部を公開するということで不正を起こしにくくしています。

その2 正当なブロックしか残らない

各ノードは最新のブロックが不正だと思ったら、そのブロックを無視して1つ前のブロックにさかのぼって作成したブロックをつないでいきます。プルーフ・オブ・ワークでは、承認を得たブロックがその後も100ブロックが承認されなければ、マイナーは採掘報酬を得られないというは、不正を防ぐ仕組みでもあるのです。

途中で切れてしまったチェーンは無視されて破棄され、長いチェーンだけが生き残っていきます。長いチェーンが正であるというのが、大変重要で絶対的なルールなのです。

プルーフ・オブ・ワーク正当なチェーンのイメージ

 

その3 マイニングのコストが高い

マイニングは計算の速さを競うものなので、世界中のマイナーたちは、高額な設備投資(高性能のコウンピュータの購入など)と電力コストを投下してマイニングに取り組んでいます。しかしマイニングに成功するかどうかは確率的に決まるため、誰にも分かりません。

そのうえ、改ざんなど自分に都合のいいブロックチェーンを伸ばそうとすると、ネットワークの51%以上の計算能力を単独で保有しなければなりません。

たしかに理論上は計算能力の過半数を保有していれば、改ざんすることはできますが、それだけの計算能力を持っているのであれば、正しいマイナーとして参加したほうが、マイニングの報酬を得られる確率が高まるため、圧倒的に経済合理性があります。

マイニングコストの高さは、不正の動機を削ぎ、ルールに従った正しい行動を促しているのです。

 

プルーフ・オブ・ワークの セキュリティの仕組み

プルーフ・オブ・ワークの分散型ネットワークにおいて、不正を働く手段として考えられるのが、「51%攻撃」です。

「51%攻撃」とは

さきほど「改ざんなど自分に都合のいいブロックチェーンを伸ばそうとすると、ネットワークの51%以上の計算能力を単独で保有しなければならない」とお伝えしましたが、理論上は不可能なことではありません。

51%以上の計算能力を支配したマイナーは、誰よりもマイニングに成功する確率が高まるため、やろうと思えば「不正な取引の正当化」「正当な取引の拒否」「マイニングの独占」ができてしまうのです。

大きなハッシュパワー(計算能力)を持つマイナーは、ネットワーク上の脅威となる可能性があるため、分散型ネットワークにおいては、大きなハッシュパワーを持つ特定のマイナーに寡占されるのではなく、広く分散されている状態が安全だと考えられます。

しかし、マイナーはあくまでも報酬を得ることを目的に行っているので、高性能のコンピュータを投入して、シェアを上げていきます。ところが、あるマイナーのハッシュパワーがシェアの51%に近づいていくと、ネットワーク全体を監視している参加者たちは「ネットワークが乗っ取られる危険性がある、危ない」と騒ぎはじめます。

万が一、乗っ取られるようなことになったら、正しい取引が承認されないネットワークとみなされ、コインの価格が下がってしまうという事態が発生するからです。それはハッシュパワーを持つマイナーにとっても自分の首を絞めることにもなりますので、少し自身のシェアを落として調整することで、それを回避するのです。

実際、ビットコインでは、あるマイナーのシェアが51%に達したことがあり、「51%攻撃」のリスクが高まったとして、価格が暴落しました。このときは、やはりマイナーが自身のハッシュパワーを調整することで、この危機を回避しました。

このような経験から、大きなハッシュパワーによってネットワークを独占するのはよくないということが分かり、マイナーたちは、パワーの分散とバランスを重視するようになりました。警戒されないネットーワーク作り、特定の誰かに権力が集中しないネットワーク作りのために、ネットワークの参加者たちが自律的に調整しているのです。

「51%攻撃」は経済的に損?

この「51%攻撃」を、ビットコインを例に「経済合理性」という面から考えてみます。

あるマイナーが善意で5億円のコストを投じて51%を支配することができると仮定します。5億円のコストというのは、例えばマイニングの専用の高性能コンピュータ5万円を1万台並べているところを思い浮かべてください。

 

ブロックは10分ごとにマイニングされ、成功者への報酬は12.5BTCです(約625万円=1BCT50万円×12.5)。

1日のマイニングで発生する総報酬: 6回×24時間×625万円=9億円
51%マイナーの報酬: 9億円×0.51=4億5,900万円
51%マイナーの利益: 4億5,900万円-5億円=-4,100万円

 

上記で計算された利益は1日分の利益ですので一見マイナスですが、2日以上になれば報酬は9.2億円以上となりますので、コストを十分に賄える利益がでることになります。つまり5億円をかけて51%のハッシュパワーを支配するのは、十分に合理的だといえるでしょう。

一方で、ネットワークを支配して破壊したり、報酬の独占や過去の記録を改ざんしたりして、不正にビットコインを獲得しようとする「悪意のマイナー」の利益はどうでしょうか。

まず、「51%攻撃」によってビットコインネットワークを破壊した場合、ビットコイン自体の価値が無くなると考えられるため、5億円がまるまるコストとして発生します。

また、不正が発生したことが分かれば、法定通貨との交換において価格が暴落する可能性が高いでしょう。つまり悪意のマイナーの動機が法定通貨建てで計算した報酬や利益である限りは、攻撃するのは経済合理性を欠いた行動だと考えられるのです。

このように、経済合理性のみを考えた場合、ビットコインのマイナーは、仮に51%のハッシュパワーを支配できたとしても、善意のマイナーとして合理的な選択をすることになります。

正しい行動をとったマイナーに対して、マイニング報酬という経済的なインセンティブ(動機)を与える。この仕組みが、ネットワークへの攻撃や不正を防ぎ、分散型ネットワークでの価値のやり取りを可能にした。そこがビットコインの画期的な点といえるでしょう。

 

まとめ

今回は、「プルーフ・オブ・ワーク」をご紹介しました。全員でネットワークを監視し、正当なブロックしか残らない、正しい行為に経済的なインセンティブ(動機)を与え、改ざんしたり不正を働いたりすると経済的に損をする画期的な仕組みにを導入することによって、ネットワーク上の取引の正しさを担保しているということをご理解いただけたのではないでしょうか?

今後も、ブロックチェーン初心者の方に向けたわかりやすい記事をお届けしたいと思います。

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